リザーブインスタンス完全攻略
今回は Azure 仮想マシンのオプション割引である
リザーブインスタンスを紹介するよ
年間サブスクリプションみたいなやつですか?
そうそう。
従量課金で使った時間だけ請求される体系とは別に、1 年や 3 年使いますよって宣言すると割引価格で使える長期契約オプションですね。
起動したままにするサーバーを使う企業は
安くなる方が良いですもんね💸
それでは、予約インスタンス
概要と解説はじまるよー
支払いと契約に関して
1年か3年の契約をするタイミングで一括支払いが基本ですが
分割払いが利用できます
1年予約なら 12 回払いで、
3年予約なら 36 回払いですね💰️
はい、しかしながら …
恐らく毎月の支払い金額が変わる可能性が大
等分での分割払いじゃないんですか!?
リボ払い的な分割手数料とか金利ですか?
これは Azure 請求スキームの基本通貨が $ だからです🗽
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/reserved-vm-instances
Azure Reserved Virtual Machine Instances を
購入するにはどうすればよいでしょうか?
Azure Reserved VM Instances を 1 年または 3 年の期間で、
Azure portal で 1 回の前払いまたは月払いで直接購入できます。
毎月支払いを選択した場合も、追加費用はかかりません。
ただし、通貨が米国ドルではない市場のお客様の場合は、
毎月のお支払い額がその月の現地通貨の市場為替レートに応じて
変動する可能性があります。
もしも円安になったら
月額請求が高くなるって事?
そういうこと💡
円高トレンドなら分割払いにして
円安に傾きそうなら、一括払いすると良いよ 💹
やってること FX じゃないか
年単位の見通しなんて出来ませんて
毎月の価格レートの詳細は
前回記事を確認しといてね
https://msft-licence.com/azure-price-yen/
かしこまりました 🐾
どの部分がリザーブ契約になるのか
仮想マシンのリザーブインスタンスが
適用される部分を確認しましょう
⇩
OS のライセンス料金は予約適用されないなら
別途 Azure 側から請求されるで良いのかな?
OS ライセンス利用権利が持ち込み可能な契約を所有するユーザーは
ハイブリッド特典という OS 権利を使えるんだ
そういったオプションが無いユーザーは、OS 料金も従量課金が基本です
リザーブインスタンスさえ契約したら
ずっと Azure の費用を気にしなくて良いのかと思ってました
そこが落とし穴でもあるから
リザーブインスタンスを購入したとしても
他に必要なコストを確認してみよう
リザーブインスタンス 以外のコスト
それではこちらも
一覧表から確認しましょう
⇩
よく見ると、本当に基盤部分しか
割引の適用がされてないんですね
そうなんです。
一つずつ説明しますんで、一番難しいルールの
OS 料金から読み解いていきましょう
OS 料金について
実は Windows Server と Linux で、
別のオプションが用意されてます。
Linux も色々ありますけど
ライセンス的に有償なのは Red Hat と Suse ですか?
詳しいね 🌞 その通り!
ライセンス利用のために支払う方法が複数あります
今回 Ubuntu みたいな完全フリー の Linux OS は
気にしないで良いって事ですね 💰️
正解!
0 円 OS は何年使っても 0 円だから、気にしないで大丈夫
有償 Linux OS
早速ですが、どういった
購入方法があるんでしょう?
大まかに言うと
1. 事前に Linux OS メーカーから買った物を持ち込む方法
2. Azure ポータルから 年単位 / 月単位 で買っちゃう方法
3. 従量課金で使った分だけ請求されるメーター方式
これがリザーブで使う場合に有力な方法かな
結構あるんですね💦 持ち込みってのは
事前に Red Hat さんと契約中の人向け?
はい、そうなります
この辺は詳しくないんだけど、途中から持ち込みとか出来るから
詳しい手順やルールなんかは MS サイト 見てね
かしこまりました!
前払いで買っちゃう方法ってのは何か特別な契約ですか?
普通にポータルから購入できるみたい
この方法についても MS サイト が詳細を公開してました
2024/12 現在で Red hat plan が提供出来ないという情報もあります
なるほど、長期利用を見越しての購入オプションだけど
Red Hat の今後は見ていきましょう 👀
従量課金請求は「OS を何も買わない」って事ですよね
はい!
勝手に使った時間だけ請求されるはずです。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/red-hat/#pricing
Windows Server OS
Windows Server は
1. ハイブリッド特典が可能なライセンスを持ち込む方法
2. 従量課金で使った分だけ請求されるメーター方式
これしかありません
随分とシンプルですね
ハイブリッド特典が可能なライセンスは
特殊な条件がありますか?
すごく厳密なルールがあります。
ソフトウェア アシュアランス が付いた Windows Server だけ対象です
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/windows/hybrid-use-benefit-licensing
よく見ると、コア数のルールとかありました
結構難しいルールです
Windows Server のハイブリッド特典は
色々ルールが絡んでますから
別の機会に記事にする予定だよ
ぜひお願いします 🙇♂️
従量課金は Linux 同様に使った時間だけ
OS ライセンスの費用が請求されますよね?
その通り!
しかしながらチョットだけ耳寄りな情報があります
仮想マシン B シリーズは
Windows Server OS ライセンス料金が安い 🉐
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/cost-management-billing/reservations/reserved-instance-windows-software-costs#windows-software-meters-not-included-in-reservation-cost
なんと!
サイトの内容からは読み取れませんでした!
何故か B シリーズの VM だけ表示枠と SKU が分離してたんで
気になって 料金計算ツール で調べてみたよ
⇩ まず D ds v5 シリーズで 4 コアのマシン
Windows Server OS ライセンス料金が
分離されて表記されています
続きまして本日のメインディッシュ
B シリーズの仮想マシンです。
⇩こちらも 4 コアの物を設定しました。
価格破壊💣️
ストレージ料金
マネージドディスクってやつです
一般的な PC の HDD や SSD に該当する部分だ💿️
C ドライブって呼んでも良いかもしれない
スマホもストレージ容量で価格が変わりますし📱
この部分は、リザーブインスタンスに含まれないんですか?
はい、含みません!
HDD や SSD で 価格差がありますし、容量サイズも沢山あります。
一部の Premium は予約可能ってのは
どういう事でしょう?
2024/12 現在
マネージドディスクの Premium SSD で
P30 以上のサイズだと予約購入が出来るはず
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/disks-reserved-capacity
大きいサイズの Premium ディスクになると
年間利用を約束する代わりに、割引が効くんですね💰️
判りました!
IP アドレス
仮想マシンで利用する IP アドレスは、料金がかかります
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/ip-addresses/
ここもリザーブインスタンスに含まれないんですか?
そうなんだよ
ある程度の固定費ってのもあるけど
Bastion 接続使うなら IP 不要って構成も出来るみたいだから
使い方次第で安くできるかもしれない
VPN や エクスプレスルートなんか使う場合も
パブリック IP を使わないケースありそうです
そうそう、そんな人達は IP 利用料金かからないケースがあるかも
プライベート IP とか難しいから、わかる人に聞いてくだしゃい
自分もまったく判りまてん!
U ^ェ^ U
予約の購入ルール
使いたい仮想マシンのファミリーとリージョンが大事な項目です
基本的に契約時に決めた物は修正できません
どこのリージョンでどのマシンを使うか決めておくんですね
OS は選択しないんですか?
割引と前払いが適用されるのは、
基本コンピュータ部分だけだから OS 選択しなくて良し
そういう事でしたか💡
かしこまりました
とにかくコア数が大事
仮想マシンファミリーの予約コア数が大事です
[ 8 コアの仮想マシンを使うから、8 コア分の割引予約を契約する ]
みたいな感覚を持ちましょう。
使う仮想マシンが決まってるなら
そのマシンに合わせた予約すれば良いんじゃないの?
そうなんだけど
しかしながら、同じファミリー + 同じリージョンなら
サイズが異なっても予約割引を適用できるルールもあるんだ。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/reserved-vm-instance-size-flexibility
あんまり使う機会が無さそうなんですけど
利用しているマシンサイズを変更したい時に
再割り当て感覚で使えるサービスでしょうか?
そうそう、利用頻度や台数なんかも含めて
途中でマシンサイズ調整が入る事もあるからね
そんな時でも、柔軟に適用しますよってオプションがございます。
① 分割しての適用
予約インスタンスの分割適用を紹介するよ
これは、持っている権利を複数に分配する仕組み
マシン台数が増えた場合に使えそうですね!
その通り!
図解で確認してみて⇩
なるほど!
コア数が大事って理由は、これなんですか
8 コアのマシンを予約した権利は
例として 2 コア + 2 コア + 4 コア
1 台ずつの仮想マシンに分配適用できます
しかしながら
算数が出来る人じゃないと難しいですね
頑張ろう!
足し算ぐらいは、頑張ろう。
結局は同じファミリーで
コア数を数えるだけで良いのかな?
9 割以上それで OK !
ハイメモリ仮想マシンなど、比率が複雑な物があるんで要チェック。
MS が配っているエクセルブック内の Ratio という項目に
小数点が含まれるファミリーや占有ホストを使っている場合は気をつけよう。
確かにレシオって項目に、
意味わからない小数点があります
そうなんです。
ファミリー内の最小サイズを 1 として
比率計算する方式を MS が出してるんですが、
純粋コア数で計算するほうが早いってのが感想かな。
無理やり 1:N にしようとするのは
何か事情があるんですか?
やってる感でしょ
8 コア持ってるんで、4 + 2 + 2で 8 だよねってのが
何より判りやすいじゃん?
確かに …
すごくシックリきます
じゃ、レシオ計算使ってみようか
D8_v4 の予約を買ったので権利レシオ 4 です
では現在の D8_v4 マシンを削除します。
次に D4_v4 を 1 台用意して権利行使するので
レシオ 2 を消費します
レシオ 1 の D2_v4 を 2 台作って権利行使します
2 + 1 + 1 で合計 4 レシオになりました
だるっ!
コア数の計算で良いわ
② 一部のみ権利適用
持っている予約割引権利よりも
大きいマシンサイズで使いたい場合です
こんなケースでも対応できるんですか?
意外ですね💡
コチラも図解で確認ください
⇩
これもハイメモリシリーズなど
レシオ比率が中途半端なファミリーは
要注意です
そこまで大規模になると、
買い直しが良い気もするかな
わかりました 🦴
キャンセルと交換
予約インスタンスは解約できます!
もしくは別の予約に変更もできます
何かペナルティあります?
年間で安いなら、途中解約はキャンセル料かかりますよね?
2024/12 現在は解約手数料無しです。
そのまま残額が返金されるはずですが
返金タイミングのドル為替レートじゃないかな。
そうなると、複数のマシンで分割して適用とか
大きいサイズに半分だけ使えるってオプションは
覚えなくても良かった気がします💦
キャンセルして買い直しが判りやすいんだけど
念の為に解説しといたよ。
ちなみに交換ってのは
別のマシンサイズに切り替えるんですか?
交換は新しいマシンファミリーやサイズ、リージョン選択、
契約期間まで含めて新しい予約インスタンス契約が出来るんだ
同じファミリーの
アップグレードだけじゃないんですね💡
交換は新規の買い直しに近いんだけど
残っている期間を日割りで返金する代わりに、
新しい予約契約の購入資金に充当するのが違いだよ。
なるほど
差額分の支払いで新規予約に切替ですか
何か手数料はあるのかな?
手数料は無いですけど
守るべきルールが一つだけあります
「お釣りが出るような交換は不可」
こういう事です⇩
よく判りました 🦴
結局キャンセルが一番便利ですね!
色々勉強してもらった所で悪いけども
キャンセルが最強だよ
細かいルールは他にもありそうですけど
大枠で予約の仕組み理解できました!
いつか予約インスタンスの交換は
出来なくなる可能性もあるし
中途解約で手数料が発生する可能性は
今後出てくるかもしれないね
そんな時は
また解説よろしくお願いします 🐾
長い記事でしたが
お疲れ様でした ☕️