冗長構成 の Windows Server
一発目の重要な話
ソフトウェアアシュアランス 付けりゃええやろ理論 が、使えないわけです
後述する 【 90 日ルール 】 を守って再割り当ての権利を行使しながら
ライセンスを ぶん回していく荒業も あるにはありますが
90 日経過していない状態でフリーズしたり、エラー吐いたらどうすんの?
って事から 猛烈に推奨しません
なので、Windows Server で障害対策を行う場合には
移動先にも予備のライセンス準備をする方法が、確実かつ現実的な対策方法
それでは早速、一例を作って御紹介
メイン環境 1 : スタンバイ環境 1
シンプル構成のパターンで解説をしていきましょう
コールドスタンバイやライブマイグレーションなど
障害やメンテナンスの為に、別ホスト環境へ移動させる方式です
全人類が必ずトラップとして引っかかる
【 90 日ルール 】から 紹介しますよ
90 日 ルール
⇧
これが 噂の 90 日ルール
画像のように 実行する片側だけライセンスを用意する場合
移動制限が強烈なので現場稼働として現実的ではありませんね
解決サンプル
⇧
どちらのハードウェアに対しても、2 台の仮想マシンを実行できる権利を用意する方法
これでライセンス不足は改善できます
そして面倒な構成が
常時可動しているサーバーが複数台ある場合
VM Were 等では複数ホストが稼働しながら
障害やメンテナンスごとに移動を繰り返す機能がメインです💡
以下に並べた 3 つの画像を 順番に見てもらうと
ライセンスの動きや、用意する数が分かりやすいかもしれません
2台構成で両方稼働の場合
まず 両方に 2 台ずつ 仮想マシンを実行できるだけの Windows Server ライセンスを用意するのが前提です。
ここから片側が障害でダウンした場合、もう片方の仮想環境に避難する冗長構成を見てみましょう。
2 枚連続で画像を確認下さい ⇩
⇩
はい! 御理解いただけましたね!
片側マシン上で 4 つの Windows Server を実行する事になれば、それだけの OS 台数を賄えるライセンスが移動先ホストに無いといけません!
16 コア分 Windows Server Standard では 2 台同時実行が限度なので
3 台目と 4 台目を実行する権利が不足 します
ライセンス不足が無いように Windows Server Standard ライセンスを、障害が起こる前に用意してくださらんか?理論なのだ
サンプル画像では、左サーバーから右サーバーに移動したけど
逆の動きもモチロンあり得ます
なので、今回の構成でお互いを冗長先として機能させる為には
両方に Windows Server Standard を 32 コアずつ用意 する事が必要ライセンス条件となってきます
クラスター全部で、仮想マシンを合計どれだけ実行させるかではなく
1 つのハードウェア上に、どれだけ片寄せされる可能性があるか
で、カウントするべし!
物理ホスト 3 台以上でクラスターを組んだ場合も、考え方は一緒
仮にホストが 3 台の場合
2 台に障害が起こった時は、残り 1 台に仮想マシンが片寄ってきますよね?
集まってきた仮想マシンを実行できるだけのライセンスを事前にカウントして準備しておくのが、冗長構成を組む場合の Windows Server ライセンスで重要な部分です
大事な事なので もう一度
クラスター全体で見るのではなく、物理ハードウェア上にどれだけ実行させる Windows Server OS が集まってくるのかで考えます
これで完璧!
マイクロソフト公式ガイドは、以下サイトからどうぞ
https://www.microsoft.com/ja-jp/licensing/learn-more/volume-licensing-briefs?activetab=volume-licensing-briefs-tab:primaryr5
SA による冗長対策
2022/10/01 ついに時は来た。
製品条項に誰にも通知されないまま、いきなり記載された項目。
Windows Server を SA 付きで買う場合 ( CAL にも付けろ )
仮想マシンに割り当てる仮想コア数で購入できるオプションがついに解禁。
仮想マシンごとに Windows Server を買う細かいルールは
以前の記事 を参照してもらえると助かります🌝
この SA 付きで仮想マシンごとに Windows Server を買うケース
最低 8 コアの購入が必須の厳しい購入制限で、メリットを感じられなかったでやんすよね?
ココだけの話
【 90 日ルールに縛られず別ホスト上に移動出来ます 】
こうなりやんした⇓
勘の良い人なら、この疑問が脳裏によぎりませんか?
その権利「ライセンスモビリティ」じゃないの?
おう、ライセンスモビリティだと思う!
それでは確認のために、製品条項の文面で比較してみましょう。
まずはライセンスモビリティ⇓
続きまして
Windows Server 仮想ごとの製品条項⇓
まじ酷似。
何故 Windows Server には、ライセンスモビリティの権利が提供されないのか?
考えられる項目を一つずつ推理考察するでやんす🧐
大きく浮かんだ理由は 2 つ
① ライセンスモビリティと言っても、実は 2 つのモビリティがある
② 物理コア数で買った場合は SA を付けても 90 日ルールに縛られる
まずは ① について解析
クラウド事業者の共有サーバーを借りて使う場合に BYOL する権利が
SQL Server 等アプリサーバー製品のソフトウェアアシュアランスにありますね
この権利が提供されないので Windows Server は
表記上「ライセンスモビリティ無し」となっている理論
AWS や Google Cloud Platform など大手事業者を含め、レンタルサーバー事業は SPLA というプログラムで Windows Server ライセンスを事業者サイドで用意します
顧客は Windows Server ごとレンタル契約しますから、Windows Server ライセンスを持ち込んで利用する概念がそもそも無い製品でもありますね(機械だけを借すハウジング事業者を除く)
そして ② の部分は、物理コア数ごとの購入に SA を追加した場合は 90 日以内のライセンス移動を絶対に許さない意志があるから👊
そういった事情で、表記上ライセンスモビリティ権利は提供されてない気がします🧐
と言っても、仮想マシンの仮想コア数と CAL を SA 付きで買えば、好きなタイミングで別ホストにマイグレーション出来るのは大きなメリット!
なので、今回の記事冒頭にお伝えした [Windows Server はライセンスモビリティの対象ではない] に関しては、ライセンスモビリティとしての権利はフルサイズで提供されないながらも、90 日ルールを突破できる権利を得られる購入方法が 2022 年にリリースされましたから検討してみて下さい! となります
物理ホストに VM Were などのサードパーティ製品を使って、8 コア以上の仮想コアを割り振る Windows Server 使う企業は SA 付きで買ってみても良いんじゃないでしょうか?💸
その場合 CAL に SA を忘れてはいけない!